ある日の夜、安西嬢から家電に電話がかかってきた。
「ごめん~直ぐ来てくれる? ホントごめんね・・・」
大人の女からの救助要請だ。
行かない理由などどこにもない。
車を飛ばして30分、彼女の家の近くで待機する。
ほどなくして彼女は現れる。
スエットの上下。
明らかに家着?
「えっ?」
へへへ、その手は食いませんからね。
パンプス君は絶対にホテルには行きませんからね!
しかし、いつもの小悪魔的な表情ではない・・。
「どうしたの?」
「ごめんね~、実はね・・・」
今回の事件はこうだ。
伝言ダイアルで知り合ったM男、一度プレイをしたそうだ。
M男は初対面でベラベラとプライベートな情報を喋る。
すっかり信用してしまった安西嬢・・・。
そして2回目のプレイ。
相変わらずプライベートな情報を喋るM男。
そして今回は、今、M男が置かれている立場を喋り始める。
親の介護でご多忙な日々を過ごしているM男。
君と出会ってこうやってプレイしている時がなんか一番の息抜きなんだよね・・・とほざく。
そして必ず謝罪・・・「あっ、愚痴をこぼしちゃってごめんね」
安西嬢1000%、M男を信用してしまう。
おまけにプレイ料金もきっちりと払う。
確か、2時間程度のプレイで5万とか・・・。
でも会うたびにプレイより喋りの時間が多い。
今から考えれば超怪しい奴だ。
そして3回目のプレイ・・・。
お前、3回も会ってるんかい!!
カラダの関係はないものの、
3回も誰とも知らないM男に会っている安西嬢に苛立ちを感じた。
ホテルに入るなり、M男は言う。
「今日はプレイしなくてもいい、でもお金は約束だから払う」といい
5万を彼女に握らせる。(オチンチンではない!)
「実は今日は直ぐに帰らないといけないんだ。楽しみを無下にしてすまん。」
「理由が気になると思うから今から話す」
別に聞きたないんだけど・・・。
「実は前にも話したと思うけど、寝たきりの親が以前経営していた事業に隠れ借金が発覚してしまったんだ。でもその借り先が実は、裏社会の会社で・・・明日中に足りない500万を作らないと寝たきりの親を担保として強制的に連れていかれてしまうんだ。一応会社関係の銀行の融資は下りているんだけど、着金が今月末なんだよね~。銀行に早くしてくれ!って催促したんだけど、あいつら頭固いから使えないんだよね。最悪、自分が死ねば生命保険が入るからさぁ~・・・だから今日は帰るね。ごめんね・・・」
安西嬢、M男の迫真の演技にどっぷり騙される・・・。
「まさかさぁ~そいつに貸したの?」
「うん・・・」
「はぁ・・・?!」
何故か声を高めるパンプス君。
安西嬢は涙ぐんでパンプス君の胸にしがみつく。
ここで、あろうことか彼女の半乾きの髪の毛の匂いにフェチモードスイッチが・・・。